下血のはなし ③ 虚血性腸炎
暑い毎日が続きます。じめっとして暑い感じがしますね。
熱中症と思われる方が数人おられました。みなさまお気を付けください。
下血のはなしの続きです。 虚血性腸炎の話です。
どのような病気かといいますと、大腸を栄養する血管が何らかの原因で一時的に流れが悪くなり、その結果大腸粘膜が炎症を起こして痛みや出血がみられます。
患者さんの訴えとして多いのが、
「おなかが痛くなって→下痢して→血が出たからびっくりしてきました」 というような感じです。
なぜ血流が悪くなるのかは、はっきりと断言はできませんが、動脈硬化などの血管因子や、便秘などの大腸の因子があるようです。
高脂血症や高血圧などの生活習慣病や、ストレスも原因になると言われます。
高齢の女性に多いですが、若い人にもみられます。
好発部位はS状結腸で、左側腹部、下腹部の痛みを訴える人が多いです。
この虚血性腸炎ですが、基本的には安静で改善することが多いです。
やはり痛みと血でびっくりされる方が多いですが、概ね安静で改善します。
炎症がひどい場合や食事がとれない時は入院が必要になることもあります
下血の患者さんが救急車で運ばれてきた時に、虚血性腸炎が疑われると、「虚血か。憩室出血じゃなくてよかった~」と思っていました
(あくまで個人的な感想です)
入院中に出血を繰り返すことは多くなく、概ね安静で自然と改善するからです。
下血する疾患って実はいろいろありますね。
出血した場合はあわてず安静にしてください。
ほとんどの下血は安静にしていれば自然ととまることが多いです。(全部じゃありません)
そのうえでカメラをして問題ないか判断するのがベストだと思います。