内視鏡の話 フジとオリンパス ③
雨でジメジメとした日が続きますね。力が出ない。
雨が必要なのはわかりますが、太陽が照っていないと頑張れない。
暇だし。 どうすんの?
まあ、そんなことはいいのです。内視鏡の話です。
今回はさらに専門的な話です。
前回フジとオリンパスについて、なんとなく書いてみたのですが思いのほか反響がありました。
同じように悩まれている先生もおられるようで。
これは書きっぱなしはいかんだろう、と思い立った次第です。
自分は週に1回基幹病院へ内視鏡の手伝いに行きえらそうにしていますが、そこでも最近フジの内視鏡が導入されました。
もともとオリンパスユーザーの先生に聞くと、やはりフジの内視鏡は挿入の感覚がちょっと違うので挿入しづらいという人がいます。(もちろん気にならないという人もいます)
基幹病院は検査数も多いので、カメラも壊れやすく、内部のワイヤーが多少切れてもそのまま使用していることがあります。
自分は1年たってだいぶフジの内視鏡になれたので、たまにワイヤーの切れた古いオリンパスのカメラを使うと、非常に使いづらく感じるようになりました。
前回フジの内視鏡はオリンパスに比べ、深部挿入がしづらいと書きました。
これはやはりあると思います。どうしてもファイバーの硬さの問題か、たわんでほしくないところでたわんでしまうことがあります。
当初は自分が下手になったのかもと心配になり、挿入本やハンドブックを読み直したりしていました。
ただ1年間フジのカメラを使用してみて、だいぶわかってきました。
ファイバーの硬さはどうしようもありませんが、対処法をいくつかみつけました。
当たり前のことかもしれませんが、これが非常に有効でした。
その一:鎮痙剤を使用する。
鎮痙剤というのはおなかの動きを止める薬です。検査前に使用されることが多いですが、自分はこれを使用せずに検査をしていました。
緑内障や前立腺肥大などがある人には合併症が出る恐れがあり、可能であれば使う薬は最小限にしたい、と考えていました。
しかし、蠕動(腸の動き)が強い方は、鎮痙剤を使用しないとつらかったり、観察しづらかったりすることもあります。
ある先生にアドバイスいただき、鎮痙剤をきちんと使用するようにすると、あら不思議。
深部結腸での挿入難があきらかになくなりました(ゼロじゃないですが)
深部結腸への到達がはやくなったのか、遠位結腸のでの蠕動の影響がなくなるためか。
理由はわかりませんが、あきらかにストレスが減りました
その二:体位変換
これも当たり前のことかもしれませんが、適宜体位変換を行う事で、挿入がずいぶん楽になります。
鎮静で眠っていることがおおいので、なるべく動かしたくない、起こしたくないと思っていましたが、腸が伸びると感じたらすぐに体位変換するようにしました。
以前よりも体位変換の有用性を感じるようになりました。
いろいろ書きましたが、結局どちらがいいか、という答えはでていません。
どちらもいいところがあり。
フジの内視鏡が徐々にオリンパスの使用感によせているという話も聞きます。
それを嫌がるフジユーザーの先生も近くにいらっしゃいます。柔らかいのが逆にいいところと思われる先生もいらっしゃいます。
結局のところ、今回僕がフジの内視鏡の導入を決めたのは、メーカーさん、卸業者の方の人間性というところが大きかったと思います。
(決してオリンパスが悪いというわけではありません。)
フジの方は忙しい中、丁寧に何度も説明して下さいました。正しい情報を誇張することなくきちんと伝えてくれます。
開業時も丁寧に調整していただきました。
困ったことがあるとすぐに対応して下さり、それは開業してからもかわりありません。
フジの方はみんなが穏やかで相談しやすく、社風もあるのかもしれません。
いやな思いをしたことがないな、と思います。褒めすぎか。なんかください。
ほめてばかりじゃいかんので、なにか不満があるとすればファイバー洗浄のコストが高いくらいでしょうか。
もちろん人の体内に入れるものですから、しっかり洗わなくてはいけません。
ただその洗剤、薬剤がまあ高い。うまくできとりますわ。
ながながと書きました。 暇だから。
あまりみな興味はないかもしれませんが、また気が付くことがあれば報告します。