女性アスリート
女性アスリートの健康と月経トラブル
運動やスポーツに取り組む女性では、トレーニングによる身体への負荷やエネルギー不足などによって、月経不順や無月経、月経痛などの問題が生じることがあります。
また、月経に伴う体調不良が、練習や試合でのパフォーマンスに影響する場合もあります。
競技を長く健康的に続けるためには、月経の状態や栄養状態を把握し、適切に管理することが大切です。
女性アスリートの三主徴とは
女性アスリートにみられる代表的な健康問題として、次の3つを「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad)」と呼びます。
① 利用可能エネルギー不足
運動によるエネルギー消費量に対して、食事からのエネルギー摂取量が不足している状態です。
② 視床下部性無月経
エネルギー不足などによってホルモン分泌が抑制され、月経が止まってしまう状態です。
③ 骨粗鬆症・骨密度の低下
エネルギー不足や女性ホルモンの低下によって骨密度が低くなり、疲労骨折などのリスクが高まります。
これらは互いに関連しており、特に成長期のアスリートでは、将来の骨の健康にも影響する可能性があります。
運動量と食事量のバランスについて
トレーニング量が増えると、身体が必要とするエネルギー量も増加します。
十分な食事をとっているつもりでも、運動による消費エネルギーに見合っていない場合には、エネルギー不足が生じることがあります。
以下の表を参考に、普段の運動量と食事量を確認してみましょう。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 競技種目 | 陸上、体操、水泳、球技、ダンスなど |
| 週の運動時間 | 週に何時間程度、練習やトレーニングを行っているか |
| 運動強度 | 軽い運動、中程度の運動、激しい運動 |
| 1日の摂取エネルギー量 | 食事や補食から何kcal程度摂取しているか |
| 体重の変化 | 最近、急激な体重減少がないか |
| 月経の状態 | 月経周期が安定しているか、月経が止まっていないか |
必要なエネルギー量は、年齢、体格、競技種目、運動強度、練習時間などによって異なります。特に成長期では、運動に必要なエネルギーに加えて、身体の成長に必要なエネルギーも確保することが重要です。
女性アスリート エネルギー量チェック
競技種目や運動時間などから、1日の推定エネルギー消費量を計算します。
※試作版です。計算結果は推定エネルギー消費量の参考値であり、必要摂取カロリーや食事制限の基準ではありません。特に成長期では、成長に必要なエネルギーを十分に反映できません。月経不順、無月経、疲労骨折などがある場合は、計算結果にかかわらず医療機関にご相談ください。
こんな症状はありませんか?
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月経が不規則になっている
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3か月以上月経が来ていない
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練習量が増えてから月経が止まった
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最近、体重が大きく減少した
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食事量を制限している、または十分に食べられていない
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疲れやすい、練習後の回復が遅い
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疲労骨折を経験したことがある
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月経痛が強く、練習や試合に支障がある
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月経前の気分の変化や体調不良によってパフォーマンスが低下する
これらに当てはまる場合には、月経の状態だけでなく、運動量や栄養状態も含めて確認することが大切です。
月経痛やPMSと競技パフォーマンス
女性アスリートでは、月経困難症(月経痛)や月経前症候群(PMS)によって、練習や試合に十分な力を発揮できないことがあります。
月経痛に対する鎮痛薬やホルモン療法、PMSに対する治療など、症状に応じた対応を検討できます。
また、大会や試合の日程に合わせて月経時期を調整する「月経移動」も選択肢の一つです。
競技スケジュールや症状、本人の希望に合わせて、適切な方法を検討します。
当院での診察・相談について
当院では、月経周期や月経に伴う症状に加え、競技種目、練習時間、運動強度、食事量、体重の変化などについてお話を伺います。
必要に応じて、超音波検査や採血によるホルモン値・貧血の確認などを行います。
エネルギー不足が疑われる場合には、食事量やトレーニング量の見直しを含めた対応を検討します。
月経不順や無月経を放置せず、早期に原因を確認することが大切です。
月経に伴う不調を軽減し、健康を維持しながら競技パフォーマンスを十分に発揮できるよう、一人ひとりの競技生活に合わせた方法を一緒に考えていきます。
月経や体調について気になることがある方は、お気軽にご相談ください。
