卵管鏡下卵管形成術(FT)
子宮卵管造影検査で卵管が閉塞、もしくは狭窄があると診断された方を対象に卵管を広げることを目的としたカテーテル手術です。
検査で狭窄が軽度であっても、なかなか妊娠しない場合にも提案することがあります。
方法
直径0.6mm、全長約1m80cmという非常に細くて長い特殊な卵管鏡と、専用のバルーンカテーテルを用いたカテーテル手術です。
腟からカテーテルを子宮内に挿入し、卵管の入り口から少しずつバルーンを膨らませたりしぼませたりしながら約10cm程度ある卵管全体を拡張していきます。
効果
一般に、不妊症の原因全体に占める卵管通過障害(卵管因子)の割合は、約30%前後と言われています。
そして、卵管通過障害が原因で今まで妊娠されなかった方は、その後3年間で自然妊娠する確率が15〜16%と低いことが報告されています。
そのような方にFTを行うこと、自然妊娠を含めた一般不妊治療(タイミング、人工授精)での妊娠率は、術後6か月で30~40%が妊娠することが期待できます。
麻酔
当院では静脈麻酔と局所麻酔を用いて外来手術で行います。
合併症・副作用
狭窄が高度な場合術後に下腹部痛を感じることがあります。
少量の出血が数日間続きます。
まれに腹膜炎などの感染症を起こすことがありますので抗生剤の投与を行います。
費用
FTは健康保険適用ですが、保険点数が高いため、自己負担額がどうしても高くなります。
自己負担額を示します。
- 片側約14万円(健康保険3割負担の場合)
- 両側約28万円(健康保険3割負担の場合)
そのため、高額療養費制度の事前申請や、ご加入している生命保険の申請を検討してください。
他院通院中の方も、子宮卵管造影検査、FT手術目的の受診も可能です。お電話でご相談ください。
当院での実績
2023年 6月~12月 |
2024年 1月~10月 |
|
FT (件) |
16 | 34 |