月経不順・無月経
月経不順
月経周期
月経が始まった日を1日目と数えて、次の月経が開始する前の日までを月経周期と定義します。
月経周期は個人差がありますが、25日~38日であれば正常です。月経が来る周期が、正常よりも短くなったり長くなったりすることを月経不順と言います。
稀発月経:周期が39日以上と長い場合
頻発月経:周期が24日以内と短い場合
原発性無月経:18歳以上になっても月経がはじまらない場合
続発性無月経:妊娠していないにもかかわらず3か月以上月経が来ない場合
生理的無月経:思春期以前・妊娠中・授乳中・閉経後の無月経は、病的なものではありません
原因
月経不順の原因には、ホルモンバランスの乱れや卵巣の病気などがあります。ストレス、過度な減量、体重の増加、環境の変化などはよく見られる原因の1つです。自然に改善する場合もありますが、月経不順にはさまざまな原因が考えられるため、異常を感じた場合は自己判断せずに婦人科を受診しましょう。
●生活習慣や環境の影響
ダイエットや肥満、ストレス、疲労、環境の変化などがホルモンバランスに影響して月経が乱れることがあります。過度な体重減少や過度なストレスが、ホルモンを調節する脳の「視床下部」に影響を与えて、卵巣機能に異常を引き起こすためです。
●卵巣の疾患
多のう胞性卵巣症候群(PCOS)、卵巣腫瘍、早発卵巣不全など
●他の疾患
脳下垂体のプロラクチン分泌に関連する疾患、甲状腺機能の異常など
●薬剤の影響
主に精神科で処方されたお薬でプロラクチンが上昇して月経不順になることがあります
●その他
・妊娠の可能性はないとは限りません。少しでも妊娠の可能性があれば月経が遅れたときには必ず検査をして確認しましょう。
・初めての月経から数年間は周期が安定しないことも多く、月経不順であっても正常範囲内といえる場合もあります。
・月経不順だと思っていたものが、実は月経ではなく不正出血(月経以外の性器出血)である場合があります。不正出血では、ポリープや子宮の腫瘍、血液凝固異常などほかの病気が隠れている場合がありますので、婦人科で診察を受けるようにしましょう。
検査
・子宮卵巣の超音波検査
・血液検査(血算、一般生化学、性ホルモン、甲状腺機能など)
年齢・症状によって、子宮頸部細胞診、内膜細胞診を行うこともあります。
治療
原因ごとに治療方法は様々ですが、女性ホルモンの分泌が原因であればエストロゲン製剤や黄体ホルモン製剤の内服薬で治療することが多いです。
生活習慣や環境に課題があれば、食事内容の見直しや適度な運動、ストレス環境の改善を指導します。
原因や症状によっては、他の診療科や高次病院を紹介することもあります。