卵巣がん検診
HBOCと卵巣がん検診
HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)は、「BRCA1」または「BRCA2」という遺伝子に変化がある方にみられる、乳がんや卵巣がんになりやすい体質のことです。
この遺伝子変化は、親から子へ受け継がれることがあります。
この遺伝子に変化がある場合、以下のような特徴があります。
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生涯に乳がんを発症するリスクが50~70%
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卵巣がんを発症するリスクが10~40%
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40歳より前に乳がんを発症する方もいます
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家族に同じようながんの方が複数いる場合があります
HBOCが疑われる方や、遺伝子検査で陽性と診断された方は、定期的な検診によって早期発見・早期治療を目指すことが大切です。
卵巣がんは初期には症状が出にくいため、定期的な検査が重要です。
当院では、以下の検査を組み合わせて卵巣の状態をチェックしています。
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経腟超音波検査(内診のエコー)
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腫瘍マーカー(CA125など)の血液検査
■ 検査が保険適用となる場合
以下のような方は、医師が必要と判断した場合に限り保険適用となります。
状況 | 保険適用の可否 |
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HBOCの方ですでに乳がんや卵巣がんを発症している | ○ 保険適用あり(定期フォローの一環) |
腹部症状など何らかの自覚症状がある | ○ 保険適用あり(症状に対する検査) |
■ 検査が自費となる場合
次のような場合には、保険適用外(全額自己負担)となります。
状況 | 保険適用の可否 |
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HBOCと診断されたががんは未発症、症状もない | × 自費診療 |
不安があり、予防的に検査を希望する場合 | × 自費診療 |
【自費検査費用の目安】
・経腟エコー+腫瘍マーカー:8,200円~10,100円(税込)
HBOCと診断された方、家族歴が気になる方は、不安を抱えたままにせず、まずは遺伝カウンセリング施設にご相談ください。